[ラグー・パラーシャリ]第1章 Samajna Adhyaya(1)その手にはヴィーナ(楽器)を持つ、赤い唇の女神サラスワティに礼拝します。彼女は、ウパニシャッドでとても偉大であると述べられている主ブラフマの真の知性です。
(2)学識のある占星術家の啓発のために、私は、パラーシャラ・ホラ・シャーストラに基づいて、このUdu-daya-Pradeepを編纂しました。
(3)我々は、ヴィムショッタリ・システムで示されるような、ナクシャトラダシャーパダティの占星術的な結果(吉または凶)をここに挙げます。我々は、アショッタリ・システムを信頼していません。
(4)学識のある者は、他の文献を通じて占星術の基礎に通じているはずです。
(5)(太陽で始まる)全ての惑星は、7番目のハウスに在住する惑星に完全なアスペクトをします。しかし、土星は特別なアスペクトをして3番目と10番目のハウスにいる惑星にもアスペクトします。同様に、木星は5番目と9番目、火星は4番目と8番目のハウスにいる惑星に対して、完全なアスペクトをします。
(6)トライン、すなわちサインで1、5、9室を支配する全ての惑星は、それらが吉星であっても凶星であっても、一貫して良い結果をもたらします。トリクハウス、すなわちサインで3、6、11室を支配するならば、それらの惑星は常に悪い方向に傾きます。
(7)吉星(木星、金星、強い月、そして良い影響を受けている水星)は、アングル、すなわち4、7、10室を支配する場合には、良い結果をもたらすものと一般に思われていますが、ラグー・パラーシャリによれば、それらの惑星が同時にトラインも支配していないならば、これは真実ではありません。同様に、一般的に信じられているところでは、凶星(太陽、火星、土星、減衰または欠けていく月、そして悪い影響を受けている水星)は、悪い結果を与えるとされていますが、ラグー・パラーシャリによれば、それらの惑星がトリシャダ(3、6、11)ハウスを支配していなければ、悪い結果を与えたりせず、かつ、1、4、7、10室の支配星として、この順番に強さを増していきます。
(8)2室や12室の支配星は、それら自身の性質(日本語訳者注;2室または12室を支配しているという事実のことを指すと思います)によって強さを持つのではなく、それらは、チャート上での影響または位置によって大きく影響を受けて、良い結果も悪い結果も与えることになります。
(9)9室から見て12室(Vyayesh)であるという理由で、8室(Randhresh)の支配星は、良い結果をもたらしません。しかし、その惑星が1室の支配星であって、1室または8室に在住していれば、吉星となります。
(10)吉星のなかでも、木星と金星は、それらがアングルを支配する場合に、悪い性質が非常に強いものとなります。それらの惑星が、アングルの支配星としてマラカハウスを支配するかまたはマラカハウスに在住していれば、それらの惑星は、死をもたらす作用が強い惑星(powerful killers)となります。
(11)水星は、金星と比べてこの良くない性質は少なく、月は水星よりもずっとこの性質が少ない。同様に、太陽と月は、Asthmesh(8室の支配星)であっても凶意はない。
(12)(蟹座の人にとって)火星(凶星)は良い結果を与えるが、これは、10室の支配星であるだけでなく、トラインハウス(5室)の支配星でもあるからである。
(13)ラーフとケートゥは、品位に関わらず、それらの位置または影響に応じて、良い結果または悪い結果を与える。
これで、Samajna Adhyayaを終了する。
第2章 Yoga Adhyaya(14)アングルの支配星とトラインの支配星との間に相互アスペクトや星座交換(mutual reception)があり、かつそれらの2つ目のサイン(their second sign;訳注:その惑星が同時に支配する別のハウスのことだと思います。)がアングルおよびトライン以外のハウスではない場合には、それらは、並外れて良いヨーガカーラカの結果を与える。
(15)強いトラインとアングル(すなわち、10室と9室)の支配星は、別のサインではトリクハウスの支配星であったとしても、相互アスペクト、星座交換又は相互の関連があれば、良い結果を与える。
(16)これらの関係のうちで最初のものが2つ目のものよりも良いと考えられ、そして2つ目のものが3つ目のものよりも良いと考えられる。
(17)ここで一つの疑問が生じる。全てのアングル-トラインでの結果は同じであるか、あるいは何らかの違いがあるのか。これについては、次のスローカにおいて明らかにされる。
(18)トラインの中では、5室と9室が強いと考えられ、そして、これらのいずれかの支配星と、強いアングル(10室)の支配星が関係を持っているとき、そのようなヨーガは最も効力を持つ。
(19)吉星はそれらのダシャーの間にいかなる関係も持たなくても、吉祥な結果を与える。凶星は、それらが関連するときであってもYogaphalを与える助けになるのであろうか?その答えは次のスローカで与えられる。
(20)同一の惑星がアングルとトラインを支配するならば、結果は好意的なものである。もし、それが他のトラインの支配星と関係しているならば、その効果は最も吉兆となる。
(21)アングル又はトラインに在住するラーフ又はケートゥが他のアングル又はトラインの支配星と関係しているならば、そのヨーガは効力を発揮する。
(22)9室の支配星及び10室の支配星が、それぞれ8室及び11室の支配星でもある場合、それらの関係(relationship)は、いかなるヨーガももたらさない。
これでYoga Adhyayaを終了する。
第3章 Ayurdaya Adhyaya(23)アセンダントから見た8室、および8室からみた8室、すなわち3室は、寿命に関係する2つのハウスである。死に関係するハウスは、それらそれぞれからみた12室である。したがって、2室と7室がマラカハウスとなる。
(24)これら2つのマラカスターナ(2室と7室)のうち、2室がより強いものである。2室、7室の支配星、それらのハウスに在住する凶星、又はそれらのハウスと絡んでいる凶星が支配する時期には、その人に死が訪れることがあり得る。
(25)その人が生まれる前に、既に上記のマラカの時期が終わっているか、又は凶星がマラカ支配星(Markesh)と共に存在しないか又はそれらのハウスに在住しない場合には、アセンダントから見た12室の支配星が、そのダシャーの時期に、死をもたらすと予測され得る惑星である。
(26)これらの支配星の全て又はいずれかのダシャーの時期がない場合、12室の支配星の(注:英語では、benefic planet to the Lordとなっていますが、to→ofの誤記として訳しています)吉星のダシャーが死をもたらす役割を持つものとして挙げることができる。8室の支配星のダシャーにおいても、死が訪れることはあり得る。
(27)ここまでのマラカがないときは、死をもたらす要素は、主支配又は副支配の時期(訳注:マハーダシャーまたはアンタルダシャーということだと思います。)に致命的となり得る後続する支配星にたどることができる。(訳注:ここも英文の意味が非常に取りにくいです。be traced to the succeeding Lords who may prove fatal in their major or sub-ruling periods.)
(27)土星が悪い配置且つマラカの惑星と絡んでいれば、他の惑星よりも土星が、死をもたらす第一の存在となるであろう。
これでAyurdaya Adhyayaを終了する。
第4章 Dasha Phala Adhyaya(29)全ての惑星が、それ自身のダシャーにおけるそれ自身のアンタルの間、そのAtmabhavanurupaに従って、良い結果又は悪い結果を与えるわけではない。
(30)ダシャー支配星は、それと関係する惑星のアンタル、又はダシャー支配星と同様の性質(9番目)(訳注:the 9th、意味不明です。)かつダシャー支配星と同様の効果を与える惑星のアンタルにおいて、それ自身のDashaphal(ダシャーの効果)を与える。
(31)ダシャー支配星のAtamasvabhavaとは反対の結果を与える惑星について、そのアンタルにおける効果は、2つ(時期を支配する惑星とサブピリオドを支配する惑星)の間の調整(adjustment)による(それらが関係を持っていない場合、ダシャー支配星が支配する主要な時期(訳注:マハーダシャーのことだと思います)の間、良い効果と悪い効果の混合が、Trishdai(訳注:3,6,11室のことだと思います)の支配星のアンタルにおいては見られる。)
(32)アングルの支配星のダシャーかつトラインの支配星のアンタルは、それらの間に相互の関係があるならば、良い結果を与える。
トラインの支配星のダシャーかつトラインの支配星のアンタルは、それらの間に相互の関係があるならば、良い結果を与える。
(32)従って、アングルの凶の支配星のダシャーかつトラインの支配星(凶でなければ)のアンタルにおいて、良い結果が期待される。単語“Papakrit”evilは、このスローカにおいてのみ、アングルの支配星に適用される。
(33)ヨーガカーラカではあるがマラカである惑星のサブピリオドにおいてラージャヨーガが作用するならば、それは、そのようなヨーガの効果を向上させる。同様に、凶星のサブピリオドも、その結果を促進させる。
(34)また、ヨーガカーラカの惑星が支配する時期(訳注:マハーダシャーのことだと思います。)には、(それは、)それとは関係していなくても良い吉星のサブピリオドにおいて良い結果を与え、その惑星は、その強さに応じて即時の効果を与える。
(35)場合によっては、ヨーガカーラカの惑星は、それに関係している吉星の主要な支配時期(訳注:マハーダシャー)の間の、その(ヨーガカーラカの惑星の)サブピリオドにおいて、良い結果を与える。
(36)ラーフ-ケートゥは、トライン又はアングルに位置し、かつ他のいかなる惑星とも関係していなければ、それらの主要な支配時期(訳注:マハーダシャー)かつヨーガカーラカのサブピリオドにおいて、良い結果を与える。
これで、Dasha Phala-Adhyayaを終了する。
第5章 Misraka Adhyaya(37)凶星のマハーダシャーの間、それとは関係しない吉星のアンタルにおいては、結果は常に好ましくない;関係している吉星のアンタルにおいては、結果は混合(吉と凶の両方)であり;関係していないヨーガカーラカのアンタルにおいては、結果は特に悪い。
(38)ダシャー支配星が凶星であれば、それらと関係していない吉星のアンタルは常に凶の効果を与える;関係している吉星のアンタルは、混合の結果を与える;関係していないヨーガカーラカのアンタルは、非常に悪い効果を与える。
(39)死を引き起こす惑星は、その主要な支配周期(訳注:マハーダシャー)かつ関係している吉星のサブピリオドの間はキラー(死をもたらすもの)にはならない。むしろ、関係していない凶星のピリオドの間マラカとなる。
(40)金星の主要な支配周期(訳注:マハーダシャー)の土星のサブピリオドの間、土星は、金星の結果を促進し、それは、土星の主要な支配周期(訳注:マハーダシャー)の金星のサブピリオドの間についても当てはまる。換言すれば、サブピリオドの支配星が、主要な惑星周期(訳注:マハーダシャー)の支配星のように振る舞う。
(41)アセンダントの支配星と10室の支配星とが互いに位置を交換していれば、すなわち、アセンダントの支配星が10室に在住し、かつ10室の支配星がアセンダントに在住していれば、それらはラージャヨーガを形成する。これは地位、権力、および名声(reputation)を表す。
(42)同様に、9室の支配星と10室の支配星が互いに位置を交換していれば、すなわち、それらが互いのハウスに在住していれば、それらはラージャヨーガを形成し、そのような人物は、評判(name)、名声(fame)および権力に恵まれる。
これでMisraka Adhyayaを終了する。
